木星と土星の接近

2020年12月、木星と土星が大接近する、という現象がありました。

これはあくまで見かけ上の接近であって、本当にこの二大惑星が宇宙空間で近づいたということではありませんが、今回の大接近は、ガリレオが望遠鏡を発明して以来、初めて人類が目にする光景であったと言わます。

日本で見える最接近は12月21日。この前後数日は輪のある土星と四大衛星を従えた木星が、かなりの高倍率でも同一視野に見え、大変感動的でした。また、この数日間は、シーイングなどはともかくとして連日晴れて、毎日二大惑星を見る事が出来たのは、全く幸運でした。

この様子を望遠鏡を使って撮影してみました。土星と木星、そしてその衛星たちは、あまりの明るさが違うので、その姿をすべて満足いくように1枚の写真に写しとることはできませんでした。露光を何段階も変えて撮影したものを「合成」すれば、すべてを適正露出として一枚の絵にできるでしょうが、それを「写真」と言って良いものかどうか、ちと悩んでしまいます。人間の目ならすべて一緒に適正露出(?)で見えますので、目というものはすごい威力をもっているのだと改めて感心します。

様々な倍率で撮影しましたが、なるべく長い期間にわたって二大惑星が接近し、離れていく様子を見られるように、最も写野が広くとれる直焦点撮影の画像をタイムラプス風にしてみました。

一日の移動もタイムラプス風に記録したかったのですが、両星は夕方の西空に低く、撮影できるのは沈むまでの1時間ぐらいでしたので、一日の内での移動を記録することはあきらめ、日ごとの動きの記録となりました。



撮影データ 等

西村製15pニュートン反射 D=15p f=1275o 直焦点

EM200でガイド撮影

Canon EOS KissX7i(天体用に改造) ISO3200もしくは6400
露光 : 18日 1/8秒 、19日 1/4秒、20〜23日 1秒
ISO感度 : 18日〜22日 6400、23日 3200
ホワイトバランス : マニュアル(太陽光に調整)

木星の位置を基準点とし、四大衛星の並びで傾きを調整

おおよそ20秒のアニメーションです。
約5秒で自動的にスタートします。





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